東京都 K・A様 ご依頼品
ローデン 1/35 Scale プラスチックキット
今回の作品はパッカード クリッパーです。
パッカードと言えばキャデラックやロールスロイスなどといった世界を代表する高級車メーカでした。
でした。と過去形なのは中産階級向けの自動車にも手を出してしまい、
それがブランドイメージの低下に繋がり結果として企業の消滅へと繋がったからです。
このクリッパーは42年までに約16000両が生産された代表的な車種です。
アメリカ軍に納入されたクリッパーは主に上級将校の乗用車として使用されたようです。
その中でもドワイトアイゼンハワー将軍とダグラスマッカーサー元帥が愛用した事でも有名です。
さて早速中身を見ていきましょう!
今回のキットはウクライナのメーカー ローデン製のキットです。
ローデンと言えば航空機モデラーの皆様ならご存じのあのローデンです。
若干嫌な雲行きを感じつつも進めて行きましょう!
通常カーモデルの場合ボディはほぼ一発成形されていることが多いですが
このキットの場合は左右と前後で貼り合わせ…ついでに言うとボンネットも貼り合わせ…
せ…精度が良ければ問題ない…甘かったですね。
航空機模型以上に微妙な擦り合わせ、場合に寄ってはパテで隙間を埋めてボディを組み立てます。
なんとかボディが形になったらシャーシや小物の組立へと進んでいきます。
ボディが組立ばそれ以外はあまり気にならない精度でした。
合わせ目の処理やエッジなどの下処理を進めて塗装の段に移ります。
その前に気になって改造したポイントをご紹介します。
ヘッドライトのカバーがキットでは分厚かったので薄い金属板で作り直しました。
リアのブレーキランプのガードも金属棒で作りました。
室内で手を入れたのは機関銃だけが付属していましたが、そのステーがありませんでしたので
金属板で製作してハンドルの横に取り付けてあります。
さて塗装です。
資料を参考に…
と言ってもほとんどが白黒写真の資料なので色味の参考になるものは見つかりませんでした。
オハイオのクラシックカー博物館に展示されている車両の写真が見つかりましたので
その色味を参考に塗装しました。
全ての塗装が完了してデカールを貼り最終工程の半ツヤクリアーを吹いて完成です。
所謂ソフトスキンと呼ばれる軍用車両のジャンルの車両の製作でした。
弊社でカーモデルとい言えば代名詞でもあるウレタン光沢仕上げが思い浮かびますが
こういった落ち着いたトーンの車両もかっこいいのではないでしょうか。