「機動戦士Zガンダム」より
バンダイ 1/144 Scale”High Gread U.C.” プラスチックキット改造
【機動戦士Zガンダム】の後半に登場し、続編の【機動戦士ガンダムZZ】までラストボスとして君臨し続けたMSがこのキュベレイです。一年戦争後に逃げ延びたジオン軍残党が興した、ネオジオン軍の実権を握っていたハマーン・カーンの愛機だった事もあり、フラグシップ機としても活躍しました。
他のモビルスーツ(MS)とは全く異なる流線型のラインは登場当初多くのファンを驚かせ、初の遠隔兵器ファンネル搭載MSだったことも手伝い瞬く間に人気を集めました。現在でもその勢いは衰える事なく、敵MSの中でも屈指の人気を誇ると言われています。
今回はHGUCを改造して、理想のプロポーションを目指したキュベレイを製作しました!
本作例はお客様のご要望で、ホビージャパンにて掲載された1999年発売のHGUCと2016年発売のHGUC REVIVEを組み合わせた、より劇中のプロポーションに近づけた作例に合わせて製作しています。
先に発売された1999年版は過去一度も1/144が発売されていなかった待望のキットで、発売から15年以上が経過した現在でも根強い人気を誇っていました。そのリニューアル版として発売されたのが2016年版で、プロポーションはもちろんのこと特に関節の可動範囲が徹底的に見直されて、現代の水準に合わせられています。この2機のいい所をとって最高のキュベレイを作ります!
大きな加工箇所は、胴体ブロック分割とサイドアーマーの位置変更です。肩横のケーブルが伸びているブロックはプラモデルでは胸パーツとして一体化されていますが、完成品(ロボット魂、HCM-Pro等)ではそれぞれが独立しており、可動範囲拡大に貢献しています。こちらでもその可動範囲拡大を踏襲すべく、分割して両手を大きく広げた際可動を補助する為に動く様に加工しました。
サイドアーマーは本来股関節のブロックに可動軸が設けられており、キットの状態では腹部に食い込む様に上がった位置に付く様になっています。その位置関係で太ももが大きく露出する様になっているのですが、そのせいで設定画よりも足が長めに見えてしまっています。そこで腿パーツの上に接続軸が付く様改造し、設定画と同様の位置に収まる形状に落とし込みました。
新旧キットの部品を作り分けている為、大まかに上半身にどちらかが多い・・・と言うのが書きにくいのが正直な所です。比較的分かりやすい所ですと、バインダーや脛部分は曲面や比率が1999年と近かったためそちらを使用しました。
そして大変ながらも効果が高いのが、ファンネル発射口の金属化! 10機全ての銃口を真鍮パイプに置き換えています。
他には口や爪先等の尖っている箇所を設定画に近づけてよりシャープに造形し、どのアングルから見てもかっこ良く仕上げました。
いよいよ塗装です! 基にした作例に合わせたカラーを調色し、曲面をより強調するため薄めにシャドウ塗装を施しました。
デカールは資料に合わせて近いものを選択して貼り込んでいます。ネオジオンのマークは金色で現在入手出来るものが無かった為、弊社でデータから作成して印刷したものを使用しました。
組立てて完成したキュベレイは、どのアングルから見ても設定画のイメージにピッタリな、理想のスタイルに仕上がりました!