模型総合病院、おかげさまで大好評を頂いております! 形ある物のほとんどをどこが壊れていたか分からないくらい綺麗に直す当サービスですが、実はそのままでは元通りに直せない物がございます。それは透明な部品です。
ガラスやアクリル、プラやレジン等の透明部品は、表面に細かなキズが入ってしまったという症状であれば磨いて直せる可能性がありますが、ひびが入ってしまったり割れてしまった物に関しては元の透明な部品に戻す事は出来ません。
透明パーツが破損したご相談については、基本的には下記をご提案しています。
1,破損箇所を直した上で透明レジンで複製する。
2,破損箇所を目立たないように薄く塗装をかけてぼかす。
3,破損箇所と同様の部品をご用意頂いて取付ける。
弊社でお問い合わせを頂く修理品はメーカーで対応出来なかった事例が多くを占めている為、3で対処出来ない状況がほとんどです。1ですとキズがない状態に戻りますが、透明レジンは時間の経過で黄変してしまい長い間綺麗に保つ事が困難です。
今回は2で対応した事例をご紹介します。
商品はグッドスマイルカンパニー製「遊★戯★王」登場の蒼眼の白龍(ブルーアイズホワイトドラゴン)です。この製品は非常に人気が高い一方で、造形が繊細である故に端が折れ易い事と、重量があるため長期間飾っていると自重に負けて折れてしまうことがあるようで、弊社での修理お問い合せフィギュアの中でも群を抜いて多いのです。
シルバーカラーも色の調整が難しく修理の難易度が高くなりますが、その点については相当な経験を重ねてきましたので問題ありません。問題はこの次です。
台座と繋がっているクリスタルの部分ごと、足首が折れてしまっています。ここと羽の破損が多い様で、弊社で請けた修理は全てどちらかが破損していました。
先程の説明通り透明度を維持しての修理は不可能という事で、上から色を被せてぼかす方法で対処しました。
上から白をかぶせることで、透明感のイメージを損なわない範囲で破損部分をぼかしました。破損した箇所を補強する為、金属線で繋いでいる都合上折れた箇所よりも広い範囲でぼかしを入れています。また、なるべく自然に見える様に真っ白ではなくて乳白色を乗せています。
他の所は普段通りにどこが破損したか分からない仕上がりに! メタリック色も限りなく直して修理します。
今回の様に「元通りの仕上がり」というのが難しい状態もあります。それでも破損した状態から最も綺麗に見える修理方法をご提示致しますので、これは難しい・・・と思う様な破損でも一度ご相談下さい。