模型で悩める貴方へ! 模型総合病院のお時間です。
これまで様々な修理実績を掲載しており、弊社に来るお問い合わせ頂く際に「○○の修理の記事を読んだんですが」とおっしゃるお客様も少なからずいらっしゃいます。
その中でも反響が大きかったのが、蒸気機関車(SL)の修理です。以前梱包用のスポンジが食いついてしまった車輌を綺麗に再生した記事(【模型総合病院】SLにこびりついたスポンジを完全除去 )を掲載した所、似た症状のお問い合わせが数多く来る様になりました。
今回は蒸気機関車の修理2つの例をご紹介します。
一つ目はこちらの車輌です。ドイツのSLで、黒と赤のコントラストがまぶしい車輌ですが、前面をよく見ると…無数のぶつぶつが付着しているのが分かります。これも劣化したスポンジの食いつきで、表面が荒らされてしまっている例です。
そんな症状も、以前掲載したSL同様綺麗な表面へ戻りました! こうした表面の荒れを取り除いてのリペイントは、もちろん荒れた後を完全に消す事も大事ですが、磨き過ぎて周りと比べて明らかに表面の質感が変わってしまった…なんて事も避ける様に、ペーパー磨きも細心の注意を払って行います。
もう一つの例は、長年走行させている過程で痛んでしまった箇所の補修です。ご覧の通り、気になる箇所が多いためあらかじめ修理希望箇所を指示してもらいました。
走行で痛むケースで最も多いのは、塗膜が欠けて金属地が見えてしまうことです。何度も走らせているうちに、台車やストラクチャーに当たり次第に傷が深くなっていってしまう・・・走行させる鉄道模型ではどうしても避けられない問題です。
もう一つ、これは鉄道模型に限らず多いのは、表面の艶がおかしくなってしまう事。同じ所を何度も触っているうちに、表面のツヤ消しコートが剥がれてしまい、だんだんと艶が出てしまう現象です。みんなに触られて頭がピカピカになっているお地蔵様と同じですね。
他にも白帯を中心に色が擦れてしまい、下の黒色が見えてしまっている部分がいくつもありました。黒地に白塗装は非常に難しい所ですが…
弊社にお任せ頂ければ、ご覧の通りどこを直したか分からなくなる程自然に仕上がりました!
金属地が出てしまった箇所は、パテで段差を埋めた上でリペイントをします。これによって塗膜の段差が平滑になり、破損前の状態に限りなく近づける事が出来るのです。
テカってしまっていた箇所は、艶のコートを施して元通りの質感へ! ただここは、ケースによっては製品の塗装段階で凹凸がついた塗装を施している場合がある為、そうした表面を再現する場合は意図的に表面を粗めに仕上げて周りと違和感が出ない様にします。その模型それぞれの特性に合わせて、修理の仕方を逐一変えていっているのです。
同じSLでも、お客様の保存状態や使用環境によってダメージの入り方は全く異なります。NAGAEアートプロダクションではその車輌それぞれの特性に合わせて、全く違和感無い様に修理致しますので、ちょっと痛みが気になってきた…という車輌をお持ちの方は是非お気軽にお問い合わせ下さい。