今回のご紹介は完成品トイの改造品です。


上の画像が作業前、下の画像が作業後です。
少しややこしい説明ですが、トイストーリーの作中にて「バズライトイヤー」と言う劇中設定のアニメのキャラクターの商品として登場したバズライトイヤーの実際のオモチャを作中の仕様をイメージして改造しました。
実際の商品では金型の都合等で省略されている部分をより作中のイメージに近づけました。
作業内容は手首の可動追加・親指の可動追加・肩の黒パーツの別パーツ化・緑部分を蓄光塗料でリペイント・背中のウイングパーツ中央の紫色部分を別パーツ化&押せる様に加工・全身のネジモールドの塗装です。

肩の改造箇所です。
商品オリジナルでは肩の黒いパーツは本体側に一体成型されており、可動はしない仕様でした。
商品を慎重に分解し、胴体部に成型されている肩パーツを切り取り胴体グレー部をラインが繋がる様に均しました。幸いな事に肩は黒く塗装されていただけで、処理後の肩口は成形色のグレーが出てきましたので磨き傷を消して胴体グレー部とツヤ感を揃えて処理は終わりです。
別パーツ化する肩のパーツはお客様にご用意頂いた物を取り付けてあります。

続いて手首の改造です。
商品オリジナルの仕様では手首は挟み込みの回転軸接続でしたので、腕側にポリキャップを仕込み
手首部分のボールジョイントと繋げるように改造しました。
そのままでは若干取って付けた感がありますので拳側で削り込みボールジョイントが埋まっている様に見える様に加工してあります。
親指は一度切り離し、金属板で可動関節を作り仕込む事で親指の独立可動可能です。

背中パーツ中央の紫のパーツはモールドに沿って慎重に鋸を入れ切り離し、裏側にストッパーの板を取り付け内部に硬めのスプリングを仕込み紫のパーツをボタンの様に押せる様に改造しました。
改造に使用したバネは丁度良い硬さの物を探したところ、100均の手芸コーナーのパンチのバネが程よい反発力でしたので分解してバネを取り出し流用しております。
また前項の親指部分が上の写真で確認出来るかと思います。
全身の改造が済んだ所で緑色部分をマスキングしてリペイントです。
使用した塗料はガイアノーツの蓄光塗料をベースに調色したものです。
商品の元の状態で食み出しや塗り漏れがありましたが、リペイントする事でシャープに仕上がりました。
以上でバズライトイヤーの改造は終わりです。
如何でしょうか!
量産品のオモチャの一つという設定のキャラを実際に量産品のオモチャ化した商品ですが
設定以上に省略されているようで、拘りの方には中々目をつむる事が出来ない仕上がりなようです。
今回はより理想に近いバズを!とのこで承りましたが、随所で他ジャンルのテクニックを使用しお題をクリア出来ました。
手首の改造はガンプラ等の古いキットを改造する際の定番工作ですよね。
特定ジャンルではなく広く模型というジャンルでお仕事させて頂いている知識や経験が生かせたのかなと思います。
今迄で中々ご依頼を頂く事が無いような特殊なご依頼でした。
アイデアはあるけど形に出来ずにモヤモヤしている方は是非弊社にご相談下さい。
打合せの中で様々なアイデアをご提案差し上げ理想の商品製作のお手伝いをさせていただきます。