モア HOゲージ ブラス製完成品フルリペイント
今回ご紹介致します作品はED92形電気機関車です。
昭和34年に国鉄によって製造された交直流両用の試作電気機関車ED46形が後に呼称が変更されED92形になりました。
今回のご依頼内容はショップ特製完成品として販売されていた物をリペイント致しました。
元の状態は金色塗装によって疑似的に生地仕上げ風に仕上げられていた物です。
早速作業内容を見て行きましょう!
鉄道模型のリペイントの場合パーツをバラす所から始まります。
強力な溶剤に漬けて塗装を剥離しますので、樹脂パーツなどを付けたままにすると
溶剤によって溶けてしまうので注意します。
塗装法にも色々あり焼付塗装されている商品は溶剤に漬けても殆ど反応しませんので
その場合はより強力な塗装剥離剤を塗って剥離したり、リューターのワイヤブラシビットで削り落とします。
今回は溶剤だけですんなり剥離出来ました。
剥離後は半田付けされた箇所の見直しです。
場合によっては半田が多すぎてモールドが埋まっていたり組み立てに干渉することがありますので、キサゲしておきます。
また、逆にハンダが弱くて外れたり取れてしまうパーツもありますのでこの段階でガッチリと半田付けして補強しておきます。
今回はそれら作業も必要ありませんでしたので軽く表面処理をして塗装に入ります。
今回の車両も色味の分かる資料探しが非常に大変な工程でした。
カラー写真が見つかっても色褪せている事もあり、これと言う決定打に欠ける資料で調色に一番手間がかかったかもしれません。
塗装工程で言えば特段難しい作業でもありませんので基本色→屋根と塗装して、細部を塗分けて塗装は完了です。
今回のご依頼の第二の山場が全周に回って入る飾り帯の再現です。
太い1本の上下に細い帯が入るのですが、この商品では真ん中の太帯のみプレスでモールドこそされていますが上下の細い帯は省略されておりますので何とか方法を探して再現するしかありません。
太帯のモールドも無ければ塗装前の段階で洋白の帯板で3本ともに再現出来るのですが、今回はそのモールドが本体と同じブラスの色なので取れる方法が限られます。
結局ハセガワのミラーフィニッシュを細切りしたもを貼り込む事で解決しました。
ある程度の曲面にも追従して貼れるほど伸びやすいミラーフィニッシュなので貼る際に引っ張ってしまうと線の太さが一定にならず不格好なので、モールドも何もない場所にミラーフィニッシュを真っすぐに貼るのは非常に骨の折れる作業でした。実際に骨が折れました。
最後に細々とした部品を取り付けて完成です。
如何でしょうか!
一説によると完成当時はもっとピンクだったなんて説もあるようですが
真ピンクの状態だとどんな雰囲気なんでしょうね。