Sum-art 1/6Scale レジンキャストキット製作
今回ご紹介するのはSum-artさんの「Aphrodite 2 蒼海」です。
随分久しぶりのフィギュアの紹介になりますね。
今作はアニメやゲーム等の原作があるタイプのフィギュアでは無く、オリジナルの作品となっています。
アニメキャラクターの様なディフォルメの効いた造形では無く、かといって実写の様なリアルな造形でもない独特の雰囲気の作品ですね。
製作についてですが、非常に綺麗に成型されており表面処理は難なく行えました。
パーツそれぞれの勘合はかなりシビアで塗装後に組み立てることを考えるときつ過ぎると感じたのでダボを予め削って緩くしておきました。それでも軸打ちが必要無いくらいしっかりとしたダボが造形されていました。
今作何といっても重要なのが塗装でしょう。
人間の柔らかさと腹部の機械の硬さのコントラストが一番の見どころになるのではないでしょうか。
今回肌の透明感を出す為に塗装の下地にサーフェイサーを使用していません。
表面処理が終ったら透明なプライマーを吹き付け下地材にしています。
通常のサフレス塗装であればより透明感を出す為にレジンの地の色を残す様に肌色、グラデーションを塗装していきますが、弊社ではプライマーの後に完全に塗りつぶす訳ではありませんが一度全体を白で塗装しています。
レジンの色をある程度つぶしてしまう為透明感は通常のサフレス塗装より出ませんが、経年によるレジンの変色を受けない塗装になっています。
アニメキャラ系の肌の塗り方よりリアル系の塗り方に近い塗り方で塗っています。グラデーションを気持ち赤みの強い色を使い、若干濃い目に陰影を入れています。
髪色はオリジナルの見本では無くお客様の指定により白に近いブロンドにパールコートで仕上げています。
腹部の機械部分は肌色部分より少しだけ光沢が出る様にしています。
またメタリックの部分は鉄道模型カラーのライトステンレスシルバーを使用し金属感を出しています。
一番時間をかけたのが顔の塗装でしょう。フィギュアは顔が命ですからね。
特に目の塗装は大変で3㎜程度の目に1本1本まつ毛を描き、瞳には瞳孔から虹彩まで全て筆で描き入れます。
如何でしょうか。
女性の柔らかさと機械的な硬さの融合した何とも独特な雰囲気の作品に仕上がりました。
シンプルながら腕の振るい甲斐のある作品でした。作っていて非常に楽しかったですね。
フィギュアと言ってもアニメキャラだけではありません。リアル系、半リアル系どんなものでもご相談ください。