ご覧の通り、今回は6輪ロールスロイス(?!)の『FAB1=ペネロープ号』の製作ですが、なんと改造有りのリアルバージョンでお届け致します。
今回のこのペネロープ号は、かなり以前に「モデリングマニュアル」誌に掲載された作例を参考にして製作して欲しいというご依頼者様のご希望でした。
元のキットであるイマイ製プラキット『FAB1』も当時としては悪く無いのですが、作例の解説を見れば見る程、確かに本物(劇中車)とは違うのです。と、いっても劇中車でさえも何パターンかあるようで、同一シーンなのにカットによっては全然別なディテールになっているので、本当のところはどうなっているのやら・・・
なるほど大掛かりな改造になる訳です。
細かい部分はさしおいて、ボディの長さも形状も改造、それに合わせてキャノピーも改造、塗装もウレタンコーティング&研ぎ出しはもちろん、既に精密屋でも販売終了してしまっているピンクのボディカラー調色も行ないます。
その他、ホイールを別売りの物に変更して、やはり別売りのフィギュア「レディ・ペネロープと運転手パーカー」も製作します。このフィギュアの造形、パーカーは良く出来ているのですが、ペネロープは「誰?」と思える造形でなかなか笑えます。(さすがにご予算の関係もあって、フギュアまでは改造しませんでしたが・・・)
さて、完成した作品のどこが変わっているかお分かりでしょうか?
一番面倒だったのは、ボディ全長を延ばしていることと、それに合わせてシャーシごとホイールベースも延長しているところです。前輪フェンダーアーチからドアまでの距離を、キットそのままに完成させた状態と見比べると一目瞭然!(違和感が無いように見えていると思います)
その他、ボディが延びるということは、キャノピーの長さも位置も変わります。
ピラーやキャノピーガラスにシルバーの縁取りも再現。ボンネットやトランクなど成形曵けで撓んでいる面はパテなどで平面化してさらに平滑にしています。
最後に後部アンテナを収納口ごと新造して取付けます。
全長が増したことで、大金持ちの特別ロールスロイスらしく、よりゴージャス感が表現された様に感じます。
本物とは多少違っていても、自分が感じたイメージを具現化するということに、カスタムモデルの面白さがあるのだということを多くの方々に知って頂けると幸いです。