1/4Scale ポリストーン製塗装済み完成品フルリペイント
今回ご紹介いたします作品はポリストーン完成品フィギュアのフルリペイントです。
ご存じ無い方もいらっしゃるかもしれませんのでポリストーンという素材の簡単な説明をば…
ポリストーンとは樹脂に石粉を混ぜた素材で、硬化後の質感は重く石のように硬くなる物です。
素材自体は劣化に強いのですが衝撃に弱い為、海外発送の商品でポリストーン製の物は
破損していることが多く弊社でも修理のご相談を頂く事が多い素材です。
予約の段階で公開されている画像と実際の量産品の出来が違う事は多々ありますが購入した商品を開封した段階で細かな部品が破損していた為修理のついでにフルリペイントしてしまおう!というのが今回のご依頼です。
作業は先ず塗装されている塗料の剥離から始めます。
強力なシンナーで洗う様に塗料を落としていきます。
塗料が剥離できたら次は下地処理をします。
工場で組立の段階である程度の処理はされているようですが色を落とすと結構アラが見つかる物で、塗料を厚塗りすることで傷や気泡痕を埋めていた箇所が出てきます。
そういった傷や穴を埋めたりパーティングラインの処理が甘い箇所を修正したりして下地を綺麗にしていきます。
この段階で破損していた髪の毛・ピアス・足首のリボンも修理してあります。
処理が終れば塗装の段階です。
通常のフィギュアの塗装の場合は肌色を塗装した後に影になる箇所などに濃い色で陰影を入れていきますが、今回は逆の手順で皮膚が薄くて血管の赤がが強く見える所を先に濃く塗装してから肌の色で潰し切らない様調整しながら塗装しました。
衣装はクリアパーツで成型されており肌が透けて見える仕様でしたが頂いた資料に合わせて紫で透け無しで塗装しました。
衣装の随所に散りばめられている真珠のような装飾は一体成型で造形も温かったので切り取って丸いビーズに置き換えてあります。
作品に色どりを添える台座ですが、造形も作り込まれておりこちらは現状の塗装に雨だれや苔・汚しを加えて綺麗な本体と雨風に晒された台座とコントラストを出してみました。
全ての塗装が終れば次は組立の段階です。
元々がかなりタイトな造形なのでそのまま下着や衣装を着せると肌と擦れて肌が汚くなってしまいますので、肌をマスキングテープで覆って色移りしない様に養生してから衣装を着せて最後にマスキングテープを剥がして完了です。
最後に灯篭の内側に元々貼られていた白く塗装された樹脂パーツを本物の紙に交換して完成です。
如何でしょうか。
完成品画像やデコマスでいいなと思って購入したはいいものの実際届いた商品を見てみたら…
そんな時は弊社までご相談ください。