「艦隊これくしょん」より
・埼玉県 T.M 様 ご依頼品
・モデルパッショナ 1/7 Scale レジンキット
旧日本低国軍の花形であった駆逐艦の象徴である特型駆逐艦の五番艦が叢雲です。太平洋戦争前半では手堅い活躍を見せたものの、1942年に重巡洋艦古鷹の救援に向かう足で米軍機の攻撃で大破、そのまま雷撃処分となってしまいます。
「艦隊これくしょん」ではゲーム開始時に5人(隻?)の艦娘を選ぶことができ、叢雲もその中のひとりに入っていて5人の中では一番キツい言動ながらも凛とした立ち振る舞いで人気を博しています。最近では待望の改ニが実装され、ビジュアルや台詞の変化等でますます注目が集まっていますね。
今回は叢雲を魅力たっぷりに製作しました!
艦これキャラクター全般にいえることですが、艤装がつく関係で部品点数が多くなる傾向にあります。この叢雲も約90パーツで構成されており、複雑な部類に入ります。まずは髪の毛や艤装の基部等、接着した方が塗装の便が良くなる部品を探し出してまとめていきましょう。艤装基部から伸びる連装砲を繋ぐアームも今回は先にとめてから下地処理を進めています。
バリや気泡がそれなりにあるので処理は少し手間がかかりますが、この段階での苦労が仕上がりに美しさに大きく反映されます。一つずつ確実に対処しましょう!
またこのキットで意外に苦戦するのが、艤装の位置関係です。アームの角度もそうですが、頭につく電探パーツは本来浮いた状態でデザインされており、一見どこから金属線を通せば良いのか分かりません。髪の毛にガイドの穴が刻印されておりますので、周りの気泡と合わせて下地処理で消してしまわない様に注意しましょう。
塗装はディーラー見本に合わせて行いました。生の肉体とメカの艤装とのコントラストが映える様、グラデーションの具合や光沢に差を付けていきます。ストッキングは肌の色からブラウンを薄く重ねていく透け塗装を施し、体温を感じさせる仕上がりになりました。
フィギュアの命は顔です! 特に目は最も重要な要素で、この仕上がりで最終的なクオリティーに大きな差が生まれます。極細の筆で光彩や瞳孔を描き込み、繊細な表現を施します。
最後の組立ては、下地処理時にどれだけきちんと仮組みをしていたかで大きく難易度が変わります。華奢な足一本で支える構成なので、奥深くまで金属線を入れてベースに固定し、自重や衝撃に負けない様にガッチリ補強します。片足立ちのフィギュアだからといって軸は一本で済ませず、更なる補強や回転の防止の為ニ本三本多く入れてガッチリ固めました。
叢雲の完成です! 強気ながら凛とした立ち振る舞いが伝わる、美しいモデルに仕上がりました。
造形が派手な戦艦や空母等に注目が集まりがちですが、駆逐艦娘も非常に素晴らしいキットが沢山発表されておりますので、隅々まで要チェックです!