大変レアケースな修理のご依頼を頂いたのでお客様のご了承のもとそちらの作業をご紹介致します。
さっそくどんな修理内容かといいますとこちらになります。
大型のソフビ製ウルトラマンです。
お腹の継ぎ目の部分が割れてしまっております。
また足首が外れていますのでこちらは再接着となります。
※今回の作業内容は割れの修理と言うことで、塗装のはみ出しや塗装面のキズや擦れは手を付けない事になっております。
ソフビ製なので本来こういう割れ方はあまりしませんが、古い商品だとソフビの硬化によって起こる事があります。
実際触ってみると硬く感じたので本作もその状態であっと思います。
さっそく修理に入っていきます。
まずは割れた状態で上半身と下半身を繋ぎます。
分けた状態で直した方が塗装がやり易いのですが、折角割れを直したのに上半身と下半身を繋ぐ際にまた割れた!なんてことになると目も当てられないので先に行います。
繋いだら割れた部分がズレない様に抑えながら瞬間接着剤で接着します。
ソフビには瞬間接着剤がかなり頑丈に接着できます。
接着したらつないだ部分をペーパーで均します。
ソフビを磨く際は番手の細かいペーパーを使います。今回は600番と1000番を使用しました。
手で触って段差が分からなくなるまで磨きます。
ご依頼時に気づかなかった手首にも小さな割れがあったのでこちらも一緒に直します。
ソフビの継ぎ作業で一番大変なのがここの作業で、ソフビと接着剤の硬度の違いでどうしてもソフビの部分より接着剤の部分の方が削れやすいのでどうしても溝が出来てしまいます。
こうなるとどんなに磨いても溝が消えません。
サーフェイサーを厚めに部分吹きします。
十分に乾燥させてから1000番のペーパーを撫でる様にあてます。
強く当てすぎない様に注意です。
処理が終ったら赤い部分から塗装します。
ソフビなので専用塗料を使用します。
赤い部分をマスキングしてシルバーを塗装します。
こんな感じになりました。
如何でしょうか。
どこが割れていた部分か分かりませんよね。
年季の入った作品は思いがけないような破損や変質をすることがあります。
諦める前に一度弊社にご相談ください。必ずお力になりますよ。