奄美屋モデル HOゲージ ブラスキット製作
1940年代から50年にかけて、日本中の鉄道路線は復興の為に様々な形式の車輌をかき集めて住民の足となるべく奮闘しました。
この相模鉄道(相鉄)3000系もそんな時代に誕生した車輌のひとつで、おなじ3000系というくくりの中でも様々な外観をもつ車輌が在籍していました。今回製作したモハ3001、クハ3501は元は東急電鉄に在籍していた1800系という車輌で、同機種が3編成分相鉄へ移籍しました。
ちなみに「相鉄3000系」で検索すると本作例車輌よりも時代が新しそうな車輌も出てきますが、そちらは2代目の3000系です。
今回は歴史深い車輌を再現します!
本キットはメーカーが用意した汎用の4扉の旧客車をベースに構成されており、基礎となるボディに部品を取り付けて特定の形式を再現する様に指示されています(各キットそれぞれの形式用の部品のみが入っているので間違える事はありません)。ウインドシル・ヘッダーをはじめとしたディティールは一切ボディに刻印されていませんので、付属のパーツで再現していきます。
シル・ヘッダーはカットしないままボディにハンダ付けする事で端から端まで綺麗なラインで固定出来るのですが、キットではカットしてから取り付ける事が前提でパーツが用意されている為か、付属分のみでその方法をとると前面にまわす分のパーツが足りなくなってしまいます。予めキットで用意されているパーツと同じ幅の真鍮板等を用意すると簡単かつ綺麗に仕上げられます。
今回はお客様のご希望で、ヘッド・テールライトを点灯出来る様に加工しました。テールライトはライトケースを裏側に設ければ簡単に点灯出来ますが、ヘッドライトは点灯を前提にされておらずそのままで入れるスペースはおろか穴すら空いていません。ライトケースと屋根を開口して、電飾パーツが通る様に加工しましょう。
塗装はメーカーの完成見本を参考に調色・彩色しました。活躍していた時代が時代な為、まともな解像度のカラー写真が殆ど残っておらず、あっても色あせて色味が分からなくなってしまい、実車の色味が不明確になっているのです。
仕上げはウレタンクリアーで、復興の為に相鉄へ移籍した当時の姿をイメージして再現しました。古い時代の車輌は半光沢ーつや消しのイメージが強くなりがちですが、強い光沢感を持たせる事で新しい魅力が生まれますね。
完成した車輌は、時代を刻んだ車輌でありながらもロートルな印象を感じさせない、美しい完成品に仕上がりました!