亀屋 HOゲージ ブラスキット キハ120 0番台 改造
90年代前半から西日本で活躍し、現在も地元民の足として走り続ける車輌が、キハ120です。0番台と200番台とで外観が異なり、今回製作した0番台は側面がステンレス地にコルゲートが入るボディで運用されているのが特徴的で、各路線毎の色分けは前面と全集に入るラインで差異がつけられています。・・・と説明すると、本作例と食い違う点が出てきますね。
改造箇所もふまえて、異なるポイントについて解説します!
本作例は木次線にて運用されているカラーを再現しており、同線では0番200番ともに運用されています。200番台は全体がクリーム・木・緑の3色で塗り分けられ、0番台は前面のみが3色で側面はステンレス地にラインが入ります。ですが今回はお客様のご要望に合わせて、0番台でありながら200番台の全体塗装仕様に仕上げました! 塗り分けにあたり0番台特有の前面と側面の?ぎ目は消して、200番台に近い印象になる様に処理をしました。
加工ポイントはそこだけではありません。キットではキハ120の主流である貫通扉が設けられた仕様で立体化されていますが、お客様のご希望で非貫通仕様に改造しました! 改造と一言で書くのは容易ですが、加工は簡単にはいきません。ロストワックスで鋳造された前面は肉厚ですので、不要な部分をカットするだけでも相当大変です。さらに窓のまわりは一段落ちているため、削り込んで再現するのですがこれまた簡単に刃が入ってくれないので、ノミの先を痛めない様少しずつ削っていきます。ひたすら根気と戦いながら形を出したら、窓内側に入るサッシを真鍮帯を組み合わせて作成_ハンダ付けしました。このときワイパーは片方だけとなりますので、前から見て左側のワイパー穴を忘れずに埋めましょう。
下地処理まで終えたら、いよいよ塗装です。どの色も乾燥に時間がかかるため、しっかり表面が乾いている事を確認してからマスキングの作業を進めます。ラインはコルゲート毎に塗り分け・・・と思いきや、一番下の緑のラインのみ200番台の位置と合わせる為にコルゲート同士の間辺りでマスキングしなければなりませんので、少し大変です。ライトの下側からラインを伸ばしていくと位置決めがやりやすいです。
塗装が完了したら、いよいよウレタンコート! ボディの形状がシンプルですので、ウレタンによる光沢がバッチリ映えます。屋根はウレタン後にツヤ消しで落としました。
完成した0番台は実在する車輌には無い、新しい魅力が吹き込まれた美しい車輌に仕上がりました!