タミヤ 1/6 Scale プラモデル
Rシリーズは初登場が1923年と、BMWのオートバイの中でも特に歴史が深いシリーズですが、本機は1973年に日本製と対抗すべく開発された、いわゆる近代Rシリーズと呼ばれる時期のマシンです。
アウトバーン最速を自負する本機は、排気量900ccを誇る当時の市販車としては破格のパワーを与えられ、なおかつそのスピードを制御する為にフロントにはダブルディスクブレーキを採用しました。デザインと空力の効率化を両立させた、まるっこいビキニカウルが特徴的なマシンですね。
現在も愛好家が手放さないことで有名なマシンを、今回は1/6の大型キットで再現しました!
キットは比較的古い部類に入りますが、TAMIYA製というだけあって時代を感じさせない合いの良さに助けられます。
今回はほぼキットに付属する物で製作したストレート組みですが、パイピングは実車を参考にうるさくならない程度に再現し、フロントガラスのリベットはインセクトピンに置き換えてディテールアップを図りました。特にインセクトピンは穴を開けて差し込むだけで出来る、スケールモデルの中ではお手軽なディテールアップ方法ですが、金属の質感が出るので効果は絶大です!
本キットの難関は塗装です。特徴的なシルバーと黒のグラデーション塗装はぼかしの境界線が均等になるように、慎重にエアブラシで吹いていきます。ここで重要なのは、カウルの部品を全て確認しながら塗装する事です! 一つ一つが正確でも、幅が整合性を取れていなかったら綺麗に見えないからです。
塗り方一つでも実車の雰囲気が出るかどうかが決まります。基本的に塗装は出来るだけ塗膜を薄く・綺麗に発色させることが大事ですが、例えば本機の実車のフレーム部分は塗膜の強度と耐熱性の確保の為に黒が厚く塗られており、それが特徴にもなっています。こうした部位ごとの機能性や素材を汲み取った塗装を施す事で、ぐっと実車らしくなるのです。
組立てて完成したR90Sは、キットサイズも手伝って本物と見紛う仕上がりになりました! 実車を追求した甲斐がありました。
スケールモデルの中でもバイクは様々な素材が露出している場合が多いので、塗装での質感表現能力がとても試されます。特に大型のキットとなると表現が顕著に現れるので、塗装していて楽しいですね。