「艦隊これくしょん」より
・兵庫県 T.H 様 ご依頼品
・エルドラモデル 1/8 Scale レジンキット
第三次ソロモン海戦の夜戦で敵陣のど真ん中へ突っ込み、敵味方入り乱れての乱戦を繰り広げ壮絶な最期を遂げながらも大戦果をあげた「っぽい」駆逐艦が、白露型四番艦の夕立です。「っぽい」がついてしまうのはあまりの乱戦で正確な記録が残っておらず、各陣営の文献ごとに戦火や被害の数字がバラバラなためどこまでが本当なのか定かでない為です。この曖昧な戦果は「艦隊これくしょん」に登場する夕立のキャラクター性にも反映され、語尾に「っぽい」がつくキャラとして定着しています。
今回製作したキットは、高レベルに育てて改装を施した改ニのスタイルが再現されています。改装前の夕立のおとなしめな雰囲気とは全く異なる派手でアグレッシブな風貌が特徴です。
それではヴィネッット風の本キットを製作していきましょう!
パーツ単位のキット状態は良好で、整形も特に難しくなく進める事が出来ます。
難しいのは整形後の仮組みです。艦これキットではもはや避けられない点ですが、艤装パーツが細かい上に完成見本とよく照らし合わせないとどこに繋がるのか把握しにくい部分があり、なかなか難しいところです。今回の夕立も艤装の構成にこだわりが込められており、見かけ以上に細かな分割がされているので相応の手間を要しました。
今回のキットは本体だけでなく、足回りの波しぶきや魚雷の表現がキットに同梱されており、仮組みの段階でも完成時の迫力が体感出来ます。必ず足回りがピッタリはまるかを確認してから塗装に入りましょう。
塗装はディーラー見本を参考に、キャラクター本体は淡いグラデーション表現を施して柔らかく表現し、艤装は作例で施されていた汚し表現を入れて、硬質感と油臭さを表現しました。汚しはツヤ消しのエナメル塗料を筆で描き込み、毛先に塗料を含ませてからティッシュで水分をとって擦るよう塗装するドライブラシというテクニックも駆使して汚れがこびりついた雰囲気を出します。やり過ぎてしまった時はエナメルシンナーを含ませたティッシュや綿棒でやさしく拭くと簡単に落ちます。
地味に大変なのは、周りを飛ぶ魚雷の表現です。海面から燃えるように飛ぶグラデーション表現は自然な色の変化が出しにくく、繊細なエアブラシ表現と色彩感覚が要求されます。そして先端の顔表現はデカールが付属していないので筆で手描きしなければなりません。小さな所ですが、手を抜かずしっかり彩色しましょう!
台座になる波しぶきは、パール塗料をコートし複雑に光が反射をするようにして、より海らしく見えるように仕上げてあります。
組立てて完成した夕立は、修羅のごとく活躍した(っぽい)ソロモン海戦の勇姿がカタチになりました!
艦娘の立体物は可愛いだけでなく、この様にカッコいいアレンジも似合うので幅広く楽しめますね。