「フランケンシュタイン対地底怪獣」より
滋賀県 Y・K様 ご依頼品
ビリケン商会 ソフビキット
ビリケン商会のソフビキット『バラゴン』です!
昭和40年の東宝映画「フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン」に登場する怪獣です。
この怪獣、目がクリクリで、手もプックリしているせいか、見ようによっては可愛らしく見えてしまうのですが、今回のご依頼は『日本一凶暴に見えるような塗装で仕上げて欲しい』という内容でした。
発売元のビリケン商会さんの見本画像を見る限り「昭和の着ぐるみ」っぽさが魅力的なスタイリングなのですが、確かに残忍な感じは薄いとも言えなくはありません。
(そもそも当時の怪獣映画で、そこまでグロテスクや凶悪な容姿を上映できる訳がない?!)
それでは早速、製作に入りましょう。
まずは、キット自体を鍋で煮ます。
エッ? と思った方もいらっしゃるでしょうが、実はソフビキットではたまにあるのです。
パッケージに詰め込まれた状態で何年も経っていたり、保管状態などによっては材質の特性上でゆっくりと変形してしまい、取り出した時に戻らないのです。
ソフビは湯煎で加熱すると、柔らかくなり、元の形状に戻り易くなるのです。
※沸騰したり、長時間湯煎しすぎると、フニャ~となり過ぎるので、適度に温める感じで止めます。
造形の変更とまでは行きませんが、立ち姿を見映えよくするために、つなぎ目は目立たないようにパテで埋めて表面を本体同様に処理をしました。
同時に可動するように出来ている下顎も固定化した後に同様の処理をして、口元の違和感を無くすようにしています。
体全体の彩色も去る事ながら、爪や牙に血のりを付ける際にも、生肉を貪ったような濃淡を表現するため、筆による滲ませの上からエアブラシでのグラデーションを付けて、血溜まりも爪や牙の筋に沿っているような雰囲気にして、血垂れはエポキシ接着剤に塗料を混ぜてデロッとした感じに再現しました。
また、目の血走しり方も毛細血管を細く書きつつ、幾重にも書き込むことで強調し、目の輪郭の内側の縁を細く黒く塗装することで、クリクリから『ギョロッ』とした目つきにしています。
艶も、只クリアを吹き付けるのでは無く、溶いたエポキシを目の縁から載せて生々しさを露骨に表現しました。
どうですか? かなり凶暴で凶悪そうな『バラゴン』になりましたよね?!
おかげさまで、お客様からは「凄い出来映えに大変満足です!」とのお言葉を頂きました。
「NAGAEアートプロダクション」はプラモデルやフィギュアだけでなく、こういった製作も得意なんですヨ♪
お手持ちのソフビキット製作も、ソフビ既製品の塗り替えも弊社にオ・マ・カ・セ♪