・新潟県 T.S 様 ご依頼品
・コダマモデル 1/80 Scale (HO) ブラスキット
南海電鉄の主力特急車輛として有名な20000系こうやの名を受け継いだ車輛が、この30000系こうやです!
運転席の窓が広くとられた前面が特徴的で、鮮烈な紅白が映える車体から「高野線のクイーン」として愛されています。
本機は当初本作例のように連結器が露出していない収納構造になっており、99年の更新で連結器が露出する構造となりました。
(なお更新前の車体は側面にNANKAIの文字が入らないのですが、今回はお客様のお好みで文字をデカール化して貼り込みました!)
さぁ、作っていきましょう!
組立ては一見シンプルな形状なので簡単に見えるかもしれませんが、各部品の合わせや独特の構成になっている部分もあって一筋縄では行かないようになっています。例えば大体のメーカーでは屋上機器にビス穴があいており、ボディに通して下からビス止めするようになっていますが、このキットでは屋上機器側にビスをハンダ付けして下からボルトで締める構成になっています。各工程を間違えないように要注意!
また、この点は他の車輛でも良く頭を抱える部分ですが、屋上配管の正確な位置が手元資料では不明瞭で、様々な画像と照合しながら真鍮線を回していきました。前面のピラーがキットそのままでは大分太かったので、細い真鍮板に置き換えてあります。
塗装です。ラインが一直線なので楽・・・なんて事は無く、何本も入ったラインがそれぞれ違う間隔で走っている為合わせるのに苦労します。また前面は多少デフォルメが入っているのか、実車通りの位置にラインを通すと側面の間隔が変わってしまうことがありました。間を取って違和感ないように調整しています。
デカールを貼り込んだら、ウレタンコートで実車さながらの艶を出します! 凹凸の少ないボディながらも、だからこそウレタンを厚くかけすぎない様気をつけます。乗降扉のモールドが薄いので、塗料やクリアコートで埋まらないように要注意!
最後は組立てて完成! 最後の関門は前面の窓ガラスです。このキットには窓ガラスの部品が入っておらず、透明プラ板やセル等から自作するしかありません。ドライヤーを当てて柔らかくしながらゆっくり曲げて、何度も裏からガラスを当てて形状がピッタリフィットするように微調整を繰り返して形を決めます。
運転席が大きく見える構成ですので、キットでは再現されていない運転席や仕切りを入れて、 より実車の雰囲気が出るようにしました。
なかなかメーカー品では拝めない車輛ですので、キットをお持ちの方は是非とも完成して頂きたい車輛です。ちょっとクセのある内容ですが、完成するとその存在感は他の車輛に負けないトップクラスの仕上がりになります!