「ファイブスター物語」より
・兵庫県 K.S 様 ご依頼品
・VOLKS 1/100 Scale レジンキット
サイレンシリーズはフィルモア帝国が運用しているモーターヘッドの名称で、同じ名を冠していてもタイプごとにシルエットや特性が全く異なります。今回製作したMHはサイレンA型で、細身で作られていたMHの設計を見直し打撃力と重装甲に重きを置かれています。
今回は設定とは少し違ったカラーリングで製作しました!
キットの状態は非常に良く、パーティングラインの処理に注力すれば綺麗に仕上げることが出来ます。ただ今回は仕上げをウレタンコートでピカピカに! というご要望がございましたので、広い面のヒケやエッジのシャープさ加減などの調整は普段以上に気を遣いました。
骨格ががっしりしているキットですので、MHの中では比較的保持しやすくなっています。スカートや肩の装甲は重量がかかりやすい部品ですので、金属線の補強は忘れずに! キットでは武器のメイスと剣は選択式ですが、今回は差し替え可能に加工しました。
今回の肝は塗装です! お客様からのご指定のカラーリングと、ウレタンコートで仕上げました。
メインカラーは専用のメタリックグリーンを調色して、深い色合いながらもぎらりとした光沢が出る様に粒子の比率を調整しています。メタリック系のカラーはシルバーにクリアカラーなどを混色して調色することができますが、シルバーの比率が多くなってしまうと白っぽい色になってしまいます。基本になる色にシルバーを少しずつ足す様に調色しましょう。
メタリックとソリッドカラーを織り交ぜてメリハリを付けたボディを、ウレタンクリアーでコート! まわりが映り込むほどの美しい光沢感を出す為に、コートをする前の段階で埃や塗膜の凹凸を極力無くして美しい表面を作りました。非常に神経を使う作業で、ちょっとでも埃が乗ってしまったら乾燥してから磨いて塗装し直さなければなりません(塗膜が厚くなりすぎてもアウト!)。完成した表面は、苦労の甲斐あってとても美しい鏡面に仕上がりました!
ただウレタンでツヤツヤにするだけでなく、関節やマーキングなどの部位はそれぞれ半光沢やツヤ消しを施し、質感の変化によるメリハリをつけました。
完成したサイレンは、美しく輝く気品高いMHに仕上がりました!
曲面が多いMHは光沢がよく似合いますね。今回は弊社得意のウレタンコートの技術を惜しみなくつぎ込んだ作品となりました。