・東京都 K.A.様 ご依頼品
スペシャルホビー 1/72 Scale プラスチックキット
今回ご紹介致します機体はBlohm & Voss BV155vです。
ブロームウントフォスというメーカーは航空機の好きな人には耳馴染みのあるメーカーでしょうが
興味の無い人にはナンデスカソレと言った名前でしょう。
ブロームウントフォス社は船や重機のメーカーとしてスタートしたメーカーで、かの有名な戦艦ビスマルクを建造した会社でもあります。
同社はレシプロとジェットの異なるエンジンを積んだ左右非対称の戦闘機や飛行艇も生産していました。
今回ご紹介する戦闘機はBV155vです。
艦上戦闘機としてメッサーシュミット社が開発していたMe155でしたが搭載する空母の開発が中止されてしまいました。
それでもメッサーシュミット社は本機の開発を諦めず、高高度戦闘機として開発する事に変更します。
しかし同社はMe262の開発で忙しかった為、空軍省の命令によりブロームウントフォス社が開発を交代する事になります。
Me155からBV155として開発されることになった本機は設計を見直し与圧キャビンを搭載し高高度での飛行を可能としています。
また特徴的な長い翼の中央には冷却器を配備し、主脚はスツーカの物を流用し外側引き込み式ながら広い脚轍間距離を有していたようです。
しかし開発時の混乱から製作は進まず試作機が2機完成した時点で終戦を迎えたそうです。
それでは早速キットの解説を!
スペシャルホビー製のキットのご依頼と言う事である程度は予想していましたが
国産メーカーのキットのように一筋縄でいかない内容でした。
接着面を擦り合わせ・隙間はパテで整形・潰れたモールドは再生しと、塗装に進むまでが非常に大変な道のりですが、
国産メーカーのパーツ精度が逆に異常な程の高水準と考えれば幾分かは気が楽になりますね。
組立の段階で一体成型になっている前照灯は削り落としてクリアーパーツで作り直してあります。
上面のループアンテナも円が綺麗に出ていなかったので金属線で作り直してあります。
塗装は、至ってシンプルなスプリッター迷彩!
かと思いきや、腹側との境目はボヤけておりまた上下の境目周辺はモットリング迷彩と見た目に反して塗装難易度は高めです。
塗装の順番や仕上がりのイメージをしっかり思い描いて慎重に進めましょう!
塗装が完了したら、デカールを貼ってクリアーコートをします。
最後に垂直尾翼からアンテナ線を貼れば完成です。
尾翼のアンテナ線の基部はキットでは省略されておりますので、適当なサイズの真鍮帯板で製作してあります。
完成したBV155vの勇姿はいかがでしょうか!
開発経緯から防戦でも日の目を見る事のなかった機体ではありますが、今ここにその姿を現しました。
海外メーカのマニアックな機体でも弊社にご相談頂ければ貴方のお部屋を飾る素敵な作品にいたします!