





オートアート 1/18 Scale 完成品部分リペイント
今回は少々変わったご依頼内容を紹介いたします。
既存のモデルカーの内装のリペイントと車体裾の細い装飾帯の色替えをご依頼を頂きました。
市販品のセンチュリーをベースに特別仕様の内装にリペイントしました。
それでは解説を!
内装のリペイントなので、先ずはボディをバラシて色替えするパーツを外して行くところから始めます。
完成品として販売されているミニカーは分解する必要がありませんので、組み立てキットとは違う方法でパーツが固定されている事が多くみられます。
例として、シャーシとボディがネジ留めされておりそのネジも巧妙にかくされていたり
ガラスパーツは金属をカシメて止めてあったり、目立たない箇所の樹脂パーツは裏側を溶かして固着させてあったりと分解するにも破損させない様に、どこでそのように固定されているのかを手探りで探しながら分解する必要があるので非常に手間の掛かる作業です。
どうしても外せない箇所は後から修理し易い様に切ったり壊して分解する必要のある個所もあります。
そんなこんなでなるべく破損させないように慎重に分解しました。
続いて資料を見比べてどこをどう塗装するか判断します。
今回はドアの内張り・シート運転席のパネルやダッシュボードと床面以外全て塗装する必要がありましたので、塗装のし易いレベルまで分解していきました。
シートにはモコモコした質感を再現するシールのようなものが貼られていましたが、今回のリペイントでは全て革張りなので余計なモコモコを剥がす必要があります。
海外の工場で作られた製品は塗料一つとっても我々が普段使用するものとは勝手が違う事が多く、性質を理解するのも一苦労です。
今回のモコモコシールは試しに塗料のシンナーで洗った所綺麗に取れてくれました。
万が一それでも取れないときは平刀などで地道に剥がす必要があったかもしれません。
これで下準備は整いましたので塗装作業を進めます。
塗装自体は難しい箇所はありませんので資料に合わせて塗分けて行きました。
ダッシュボードやドア内張の一部に木材が使用されておりますので、今回は木目テンプレートを使って
デカール台紙に木目の塗装をした物を細く切って貼り込みました。
また、皮と木材の境目にはメタルックを細切りにした物を貼り込んであります。
続いて車体表面の加工です。
表面で手を入れた箇所は元々赤かったラインを白に変えました。
0.2㎜程の細いライン4本が端で合流するようなデザインの帯で塗装では再現出来ない細さなので
極細のデカールを製作して貼り込んであります。
最後に塗装の終わったパーツを組み込み元の状態に戻したら
仕上げ用のコンパウンドで磨いてツヤを出して完成です。
如何でしょうか!
走る執務室と呼ばれる、最高級自動車センチュリーの特別仕様の1台が完成しました。
光沢とデザインとが相まって、模型と言えどかなりの存在感を醸し出しております。
今回の様に部分リペイントは勿論、フルリペイントも承っております。
大事な方へのプレゼントにその方仕様の拘りを盛り込んだ特別な1台をプレゼントしてみては如何でしょうか。