カツミ HOゲージ ブラス製完成品リペイント
日本で初めて量産ステンレス軽量車体を採用した、東急8090系です。
先に試作された東急8000系デハ8400形で得られたデータを基に、コンピュータで解析を重ねて改良し晴れて1980年に量産されました。特筆すべきは重量で従来の強度を保ちながら他のステンレス車輛よりも2割以上の軽量化に成功し、その後のステンレス車輛設計の基本軸になりました。
ステンレス車輛のスタンダードを築き上げた車輛を再現して行きましょう!
今回は7両編成の完成品を預かり、リペイントを施してよりリアルな車輛に生まれ変わらせました。
色を落としたらディティールアップから入ります。
完成品の状態では正面脇のステップが再現されていなかった為、新規にステップを取付けました。他の部位の手すりも完成品状態で施されていないものはどんどん追加して行きます。
完成品リペイントなので組立てやキサゲがいらないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、色を落として初めて分かるハンダの漏れや不具合が見つかることがあり、その場で対処しないといけません。特にアングルのハンダ不良は組立て時に破損等のトラブルに繋がりますので、どんな完成品でも必ず入念にチェックします。
ステンレスボディはガイアノーツ製のステンレスシルバーとダークステンレスシルバーを調色し、明るめながらもやや強めに影が落ちる色味に仕上げました。
今回のお客様のこだわりのポイントは、側面の明るいシルバー部の再現です。
8090系は部分的に質感が異なるステンレスが採用されており、この差がしっかり出るようにして欲しいとご要望を頂きました。
シルバーにつや消しだけでは特徴ある雰囲気が出ないので、グレーにメタルカラーを調色して反射の弱いメタリックグレーを使いつや消し気味に塗装してこの雰囲気を再現しました。
組立てて完成した8090系は、登場時の姿が再現された美しいモデルに仕上がりました。