本記事は以前スタッフブログにて紹介したものです。
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今回のお預かり品はEF58です。
裾の一か所が擦れて変色しています。

お客さんご自身で何とかしようとしたとの事ですが、色が合わないのでプロにお願いしますとの事です。
今回修理のついでに全面ウレタンコートもしちゃおう!って事です。
では早速!

最終的にウレタンコートをするので、ウレタンがかかるとやばい部品は外していきます。
塗装の修理だけなら、ばらさずに修理することもありますがウレタンは…クリアパーツにかかるととんでもない事になりますからねっ!
先ずは床板を外してボディだけにしました。

次いで窓ガラスを外していきます。
運転席の周囲の窓も外すので運転台も外します。

お次はライトのレンズです。
前後2個あるので2個とも外しましょう。
この車両は片側がガッチリ接着されていて無理に外すと破損しそうだったので片側だけ外さずにしてあります。
車側表示灯やテールライトも硬いのでそのままにしてあります。

外せる部品は全部外しました。

それでは修理に移ります。
フィニッシングスティックです。
番手の細かいヤスリなので、塗装面を痛めることなくガビガビの箇所を均す事が出来ます。
これで磨いて塗装面を均一に綺麗にする事から始めます。
ちょっと磨いたら綺麗に均せました。

次はいよいよ塗装です。
既存の塗料で電気機関車用とか屋根用とか様々な塗料が出ていますが
そのまま塗装しても大体色が合わないので調色して作ります。
写真は基本の青と調色に使う純色のマゼンダです。
青にマゼンダを混ぜると紺色になるので
先ずは紺色を作ってから微調整していきましょう。

先程の色に黄色や黒白をいれて微調整していきました。

ある程度、微調整したらプラ板の木っ端にでもちょこっと置いて色味の方向性を確認します。
ちょこっと違う色を足してちょこ置きしてを繰り返して大体近い感じになってきました。

かなり近い所まできたので、エアブラシで試し吹きして色味の確認をします。

うん かなり濃いです。
瓶の中でまぜまぜした時は丁度よく見えても実際に吹いてみると
あれ?ってことが多々ありますのでここから更に微調整微調整を繰り返していきます。

で、出来た色がこちら。
写真だと光やツヤの加減で微妙に違って見えますが
これでバッチリの色でしょう。

ほら。
どこに塗装したか分からないでしょ。
実はコレ何にもなっていない反対側の写真なんです。
ってのは冗談で、調色した色が元の色に馴染んでおります。
このあとウレタンクリアーを吹けば更に修理箇所は分からなくなるでしょう。

最後にウレタンコートをするのでマスキングしていきます。
室内に吹き込まないようにと、屋根はそのままのツヤ感で仕上げるのでウレタンが掛かってほしくない箇所は全部マスキングです。

ライトのレンズも含めマスキングが出来ましたのでこれからウレタンを吹き付けていきます。

ウレタンの吹き付けが終りました。
片手で持って作業するので持ち手もこんな感じで特別なサイズに調整したもので対応です。
ボディは重いので腕がつらないか心配でしたが、なんとかやりきりました。

前面もこのとおりテカテカ!!
後はウレタンの硬化を待って外した部品を組み込んで完成です。

バラシの逆順で組んで行きます。
先ずは運転席横の窓から開閉出来る様な構造なのでバラスのも組み立てるのも難儀します。
フロントのガラスを貼って、室内照明を固定して運転台を取り付けました。
あとは蓋をして終わりです。

ディスプレイ台にビス固定したらヘッドライトのレンズとワイパーを取り付けます。

組み立て終わりました。
車体の映り込みが確認出来るかとおもいます。
作業前は半艶くらいのツヤ感だった車体がウレタンでテッカテカです。
鉄道模型の完成品って艶を落とした仕上げのものが多いですが全検直後のような輝きのある車両もまたいい物です。
今回の車両はOJなのでより迫力があるように見えます。
電気機関車や両運の車両などは1両で飾っても絵になるのでディスプレイに持ってこいですよね。

最初に直した色剥げ箇所です。
確かルーバーの脇あたりだったかと思いますがバッチリ色合わせした上にウレタンコートしてあるのでどこを修正したか分かりませんね。

最後に前面の写真です。
うーん何とも言えない質感です。
大きいスケールだとウレタンも映えますね。