ピノチオ 1/80 Scale (HO) ブラスキット製作
旧型国電のメッカだった飯田線。時代が流れるに連れて、飯田線からも徐々に旧式の車輛は姿を消して行きますが、後期まで残っていた車輛がクモハ50008です。
元々はクモハ43系でしたが、電動機の出力を向上したクモハ53系を更に3扉化改造をした車輛がクモハ50系で、何輛か作られた中で最後まで活躍した車輛がこのクモハ50008なのです。
晩年は前面の幌が外され、本来幌がある部分はクリーム色に塗り分けられているのが特徴です。こうした複雑な経緯によって誕生した車輛が数多く在籍していたのも、飯田線の特徴ですね。
早速製作していきましょう!
ピノチオのキットはクモハ50系のくくりでリリースされており、50008を再現するには前面上側にワイパーが付く片方にHゴムが入るタイプの前面を選択して組立てます。今回は前途の幌枠が撤去されたタイプにご希望を頂いたので、幌枠は取付けずに進めます。
飯田線で毎回悩むのはパンタグラフ回りの屋上配管です。現代の車輛でも屋上配管がはっきり分かる資料は多く無く、まして旧型国電車輛が集まる飯田線ともなると正確な資料が殆どないと言っても過言ではありません。
その上一輛ごとに配管の入り方が全く異なるため、なるべく資料で配管が分かるものを集め尽くして、見えない所はこうなっているだろうと推測を織り込みながらパイピングを施す事になります。その際に、他の屋上機器にあたらない様に気をつけましょう!
塗装はお馴染みの横須賀色、いわゆるスカ色です。今回は幌枠が無い為、前面は幌枠の形に合わせた塗り分けを施します。塗装用のアタリは造形されていない為、マスキングの正確さが要求されますね。
組立てて完成したクモハ50008。飯田線旧型国電の中でも末期まで活躍した車輛の勇姿が蘇りました!