「TERA」より
Cerberus Project 1/6 Scale レジンキット製作
人気MMORPG「TERRA」の中でも人気種族であるエリーンは最近では完成フィギュアの商品化が発表され、より一層ファンから愛される存在となりました。
今回製作した姿は、ちょっとダークで小悪魔的なナイトメアスーツバージョン! 一見大人しい造形に見えますが・・・!?
早速作っていきましょう!
部品構成や状態は高い水準でキット化されています。
しかし今回のキットで少し気になったのは、3Dプリンタで原型を出力したであろうパーツに積層ピッチ跡が残っており、入り組んだ形状にもびっしり走っているため表面処理は前回よりも手がかかりました。
極端にがたがたする様な状態ではないのですが、弊社では美しさを第一にフィギュアを製作する為、サンドペーパーをちまちま当て続けて細かな研き残しも残さずきっちり処理してあります。手間がかかる分、完成のクオリティに大きく影響する工程です!
このキットで最も悩む所は塗装です。スーツはディーラー見本で光沢感のあるマジョーラ塗装が施されており、もちろんこの雰囲気を再現する訳ですが実際やるとなると大変!
まずマジョーラを再現出来る塗料が限られており、入手が困難です。またメーカーにもよりますがマジョーラ塗料はとてもムラになりやすく失敗すると粒子が偏ったり色が逃げてしまったりします。慎重に塗装を施しましょう。
ちなみに今回使用した色はグリーンとパープルの色が出るマジョーラ塗料にクリアブルーを混色して、複雑な色の移ろいを表現しました。
どうしても入手出来ない場合は、部分的にクリアパープルやブルーをわざとムラっぽく吹き付けて、色味を変えてなんちゃってマジョーラ表現・・・なんてことも出来ます。
綺麗にマジョーラ表現を施し、これで難関も突破・・・と思いきや、更なるテクニックを要求されるポイントがあります!
スーツの随所に施されている血管の様な表現と、ガーターとタイツの複雑な模様です。どちらもエアブラシだけでは再現が不可能ですので、道具を筆に持ち替えて描き込んでいきます。
とにかく描き込む箇所が多い為、完成見本とにらめっこして根気で塗りわけました!
特にタイツは大まかなモールドが入っているものの細かな部分は一切アタリが入っていないので、正確に見本からラインを汲み取る観察眼と筆塗りの技術が要求されます。
完成したエリーンは、小柄な身体にモデラーの技術が惜しげもなく投入された、とても贅沢且つ美しい完成品に仕上がりました!